ストマとは
ストーマとは、人工的に消化管の出口を作ったもの「消化管ストーマ」、人工的に尿路の出口をつくったもの「尿路ストーマ」です。「人工肛門」「人工膀胱」とも言います。
腎瘻や膀胱瘻、胃瘻、瘻孔なども含めて言うことがあります。
ストマ増設時のルール
【クリーブランドクリニックの5原則】
1.臍より低い位置
2.腹直筋を貫く位置
3.腹部脂肪層の頂
4.皮膚のくぼみ、しわ、瘢痕、上前腸骨棘の近くを避けた位置
5.本人が見ることができ、セルフケアしやすい位置
ストーマ観察項目
ストーマの色：鮮赤色もしくはピンク色
サイズ：縦×横×高さ（腹壁から排泄口までの高さ）
・ストーマ粘膜の浮腫の有無
・排泄口の位置
・皮膚粘膜接合部の状態（発赤、腫脹、疼痛、排膿の有無）
・近接部の発赤、腫脹・びらんの有無・部位
・皮膚保護材貼付部の発赤、びらん、潰瘍、毛嚢炎の有無・部位
・皮膚保護材貼付外周部のびらん、潰瘍、毛嚢炎の有無・部位
・正中創やドレーン等の位置・ストーマとの距離
ABCD-Stoma®のスケール
ABCD-Stoma®とは、ストーマ周囲の皮膚の障害を部位毎の程度と皮膚色の変化で評価するものです。
Adjacent（近接部）
Barrier（皮膚保護材部）
Circumscribing（皮膚保護材外部）
Discoloration（皮膚色の変化）
ABCD-Stoma®評価方法
①A、B、Cの各部位を皮膚障害の程度を、障害なし「０点」、赤斑「１点」、びらん「２点」、水疱・嚢疱「３点」、潰瘍・組織増大「15点」の５段階で評価。
※発赤もあるしびらんもある場合は２点。混在する時は得点が高い方で評価！
※赤斑、びらん、水疱・嚢疱は急性の病態です。
※潰瘍・組織増大は慢性の病態です。
点数が出そろったら、合計点を出しましょう。満点４５点で、合計が高いほど重症になります。
②A、B、Cに、皮膚色の変化がないか評価する皮膚の色の変化は、皮膚障害が治癒した後に見られるので、過去の皮膚障害有無の評価となる。
色素沈着なしは「０」、色素沈着ありは「P」、色素脱失ありは「H」とします。
「P」はPigmentation色素沈着という意味。
「H」はHypopigmentation 色素脱失という意味。
「A〇B〇C〇：合計点 D〇」表記