こんにちわ なぎです
実は私も公正証書作成してるんです。公正証書ってなんぞやって感じだと思いますが、知っておいて損のないです。作成するにしろ、しないにしろ今後の選択肢を増やしておくのがいいのではないでしょうか。
では、公正証書作成の方法について説明していきます。
パートナー契約公正証書どこで作れる?
公正証書は公証役場で公証人が作成してくれます。公証役場はどこを選んでも問題ありません。
「(お住い市町村) 公証役場」で検索すれば最寄りの公証役場が検索にヒットするかと思います。
◎公正証書を作成する公証役場の選び方
公正証書を作成するにあたって注意すべきことがあります。
しかし、遠方の公証役場を選んでしまうと後々困る可能性があります。公証役場で作成された公正証書を、再度発行したい場合には作成した公証役場に出向かないといけません。
つまり、今後東京に引っ越して永住する予定の方が、今住んでいる地元の北海道で作成した場合、公正証書を作成した公証役場のある北海道まで戻って再発行してもらわないといけないのです💦
できるだけ生活圏内の公証役場を選びましょう
公正証書作成の流れ
公正証書の作成の流れを簡単に説明します。
まずは、公証役場の予約を取ります。
予約が取れたら、必要書類等をもって公証役場へ向かいます。公証人へどういった内容を作成したいのかを伝え、公証人が公正証書(仮)の作成をしてくれます。
だいたい2週間後に公正証書(仮)が完成しますので内容の確認と修正を行います。修正がある場合には、さらに数週間公証人の作成を待ちます。
納得いくものができましたら、公証人と利用者が署名押印を行い、公正証書原本の保存と正本・謄本が交付されます。
- 予約を取る
- 公証役場で作りたい公正証書について公証人と話す
- 公証人が公正証書(仮)作成
- 公正証書(仮)の内容確認
- 問題なければ署名押印
- 公正証書が交付される
公正証書作成にかかる期間
公正証書作成はスムーズにすすんで3週間程度かかります。
任意後見人の公正証書も同時に作る予定なら登記や法務局からの登記事項証明うけとりなどさらに時間がかかります。
利用する公証役場にもよりますが予約がなかなか取れないこともありますので、まず予約の時点で時間を取られます。私の場合は1週間後に空きがありました。
次に、公正証書(仮)作成に約1週間~2週間ほど時間を取られます。数日で仕上がることもあるのであくまで目安です。内容に納得いかずに修正を繰り返す場合は都度1週間程度の時間がかかると思っていた方がよいかもしれません。
時間がかかる要因として、公証役場は平日の9時~17時までしかやっていません。土日祝休みの人はなかなか難しいですよね。2人揃って行くべき日もあるので、お互いの休みを合わせることを考えるとさらに難易度が上がってしまう人もいるかもしれません。
できるだけ早めに動き出すことをおススメします。
公正証書作成に必要な事前準備
公正証書には以下のものが必要となります。
- 印鑑証明書と実印
- 運転免許証と認印
- マイナンバーカードと認印
- 住民基本台帳カード(写真付き)と認印
- パスポート、身体障害者手帳又は在留カードと認印
作成をお願いする公証役場HPまたは、予約を取る際に必要なものについて知ることができると思います。是非、確認してみてください。
どういった公正証書を作りたいのか説明をする際には、雛形をもとに自分達の希望が叶う内容を作成しておくとよりスムーズに話が進むと思います。
公正証書の内容って何を書けばいいの?
公証人にもよりますが「同性婚」は法的に認められていないので、公正証書の内容について記載する表現の変更を求められる場合もあります。私自身も作成時に公証人に教えていただいたのですが、公正証書には、決まった言い回しみたいなものがあるようです。つまり、自分の好きな表現で書いてもらうことはできない可能性があります。
また、別記事でも書きましたがパートナーシップ制度同様に法律上の優遇措置(税金の配偶者控除や健康保険・厚生年金などの優遇)は、受けることが出来ません。そういった不可能な内容を盛り込むこともできないわけです。
◎公正証書って何が書けるの
公正証書は2人の決め事を記すものです。
パートナー契約公正証書には、同居義務や努力義務、貞操義務や、共同生活における一定の取り決めを書くことができます。
その他、お金の管理や入院等における手術の説明や同意をする権限の付与など、2人が必要だと思う内容を作成できます。
◎公正証書作成時に必ず入れるべき内容
以下の2文は入れておいた方がよいと思います。
・甲及び乙は,愛情と信頼に基づく真摯な関係にあることを確認する。
・甲及び乙は,同居し,共同生活において互いに責任を持って協力し,及びその共同生活
に必要な費用を分担する義務を負うものとする。
なぜこの2つは入れておいた方がいいのか…
同性カップルのペアローンを可としている多数の銀行が、このような2文が入っていることを条件にいれています。一語一句同じでなくてもOKですが、同性パートナーとペアローンを組むために公正証書を作成したい方や今後の選択肢として持っておきたい方は入れておくのをおススメします。
利用したい銀行により文言が違いますので、事前にHP等で確認してみてください。
渋谷区やNPO法人EMAではパートナーシップ公正証書を作成するにあたり参考となる内容を掲載していますのでご興味のある方は読んでみるといいかと思います。
渋谷区パートナーシップ証明任意後見契約・合意契約公正証書作成の手引き
NPO法人EMA日本 婚姻契約書-Marriage contracts
◎公正証書に盛り込んだ内容
私が公正証書に盛り込んだ内容は以下のものになります。(公正証書の内容そのまま書くと分かりづらいので簡単に記載しています)
〇生活における約束事
・愛し合っていて、今後も揺るがないことの宣誓
・別の人との結婚やパートナー契約の禁止!
・共同生活において発生する支払いは分担する
・片方が所有する家に居住する権利を与える
〇緊急時の委任事項
・身体能力や判断力が低下した時に生活や療養・看護・財産管理を援助し、任意後見人制度を利用することにお互い同意している
・公正証書に追加したい項目ができた時、随時修正や作成することに同意している
・医療機関での立ち会いや説明・同意・治療法の決定を委任し、父・母・兄弟よりもパートナーの意志を最優先とする。日頃から、治療に関する意思交換をする。
・自分名義の財産は自身の財産とするが、どちらに属するかわからない財産は共有のものと判断する。
〇子供も持ったことを想定した内容
・今後、養子縁組を希望する際はお互いの意思を確認する。
・片方が、未成年者の親権者となった時に、もう一方も教育や看護する権利を委任し、協力する。パートナー契約が終了したとしても、面会や教育に関わることができるし、養育費はお互いで負担する。
〇契約解除について
・どちらかが亡くなった時は、本契約が終了になるが、別途締結する死後事務委任契約規定は有効のままとする。
・生死がわからない状態が3年続くようなら本契約は終了とする。
・双方が合意した場合は、証人をたて書面で合意することで本契約を終了できる。
・浮気した時、明らかに協力して生活しようとしない状態の時、2人が別居して3年経過した時、本契約を継続するのが難しい事柄が発生した時は、一方的に契約終了ができる。
◎公正証書作成はプロに頼みたい
公正証書の作成は公証役場で公証人が相談に乗ってくれますが、事前にある程度の形を作っておいた方がスムーズに作成できます。完璧により近づけたい方は、司法書士や行政書士に相談することで公証役場に持ち込む前に内容をある程度固めることができます。
パートナー契約が認知され始めたことで、一律料金のところも出ていますので前例があるところにお願いするのがいいかなと思います。
公正証書作成にかかる費用
公正証書は公文書になりますが、利用者は公正証書の作成費用を支払わないといけません。
公正証書を作成時に負担する費用を「公証人手数料」と言います。その計算方法は法令に定められていますので、どこの公証役場に行ったとしてもかかる料金は同一です。
公証人手数料は、各公正証書に記載する内容や作成の方法により変動します。私が作成した時は、公証人の方から枚数が増えれば増えるほど多くなると思ってくれればといった感じで説明を受けました。
料金が確定するのは作成後で、支払いも作成後になります。支払いは現金のみ。
後々、高額だったとビックリすることもあると思いますのである程度心構えをしていた方がいいですね。
◎実際にかかった費用は?
私はパートナー契約公正証書と任意後見人の公正証書2つを作成しました。
パートナー契約公正証書・任意後見契約及び死後事務委任契約公正証書×2人分(私とパートナー)
合計金額は10万円… (公正証書のみで5万円程度でした。)
まさかの2桁…
今後、公正証書の修正を直近で行うことはないだろうと思い、できる限りの内容を盛り込みパートナー契約公正証書は表紙含めて12ページ、任意後見契約及び死後事務委任契約公正証書は表紙を含めて14ページ分作成しましたので、これくらいの量になると10万くらいしちゃうかもと思っていただければと思います。
私の周囲で公正証書を作成されている方は7万~10万程度で、それぞれ内容が違いますのでカップルごとに価格はまちまちな感じです。
後々、修正するのにも費用は掛かりますので金額が高くなっても妥協しないものを作成したほうがよいと思います。
◎再発行はいくらかかるの?
公正証書の謄本は、ページ1枚につき250円です。たくさん盛り込んだら、再発行も料金が高くなるわけですね。ちなみに公正証書原本の閲覧は、1回につき200円です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。任意後見人作成について、別途記事を書きますので見ていただけると嬉しいです。